DXP x 鳥獣害対策:西嶋地区電柵組合と新たな獣害対策に取り組んでいます

甲斐けもの社中では、DXP事業の一つのアウトプットとして、西嶋地区電柵組合、地域おこし協力隊加藤氏と協力しながら鳥獣被害対策に取り組んでいます。西嶋地区では昨年から、農地に侵入するシカやイノシシの行動を調査し、被害の実態を明らかにしてきました。そうした取り組みの延長として、今回DXP事業の実証地に選定されたことにより、電柵組合との関わりも一層深まり、継続的で組織的な協働の体制が整ってきています。

©copyright Kai Kemono Syachu, 2025

その中心となるのが、公民館を会場におよそ1カ月半ごとに開催している勉強会です。第1回の勉強会では、参加者全員で地域内の状況を整理し、シカやイノシシの生態と行動特性、そして効果的な対策の基本について学び合いました。さらに「柵の点検をどうするか」「侵入経路がどこにあるのか」といった現場の疑問を受け、甲斐けもの社中が主体となり、身延町役場産業課鳥獣担当や地域おこし協力隊と協働して柵の全周を確認しました。その過程で侵入痕跡が見られた箇所にはセンサーカメラを設置し、実際に柵の内側に入り込んだ個体の存在を映像で記録することができました。調査の裏づけを現物で確認できたことは、地域の皆さんにとっても大きな発見となりました。

©copyright 身乃豆, 2025

8月23日に実施した第2回の勉強会では、前回の調査結果を報告しました。参加者からは「柵の設置箇所を見直すべきではないか」「獣道の位置に応じて補強が必要ではないか」など具体的な意見が寄せられ、活発な意見交換が行われました。その上で、発見された個体が出没するエリアを確認する作戦を立て、勉強会後半には熱赤外線カメラを搭載したドローンを使った探索を行いました。事前に区内放送も流していただき、多くの住民の方々に公開調査としてご覧いただく形となりました。探索では予想どおりの場所で加害個体を確認でき、映像と現地情報が一致した瞬間には会場全体が大きな盛り上がりを見せました。さらに同時に河川区域内で9頭のシカも確認され、今後の広域的な対策の必要性について議論が深まりました。

©copyright Kai Kemono Syachu, 2025

また、この日の勉強会ではシカの目撃情報だけでなく、ハクビシンやアライグマといった中小型獣の捕獲や目撃状況も共有されました。それを踏まえて甲斐けもの社中からは両種の生態や捕獲技術について解説し、参加者の理解を広げる時間としました。現場の情報と専門的な知見をその場で結びつけることで、住民の方々も「今の状況にどう対応できるのか」を即座にイメージできるようになります。現地確認と議論を組み合わせたこのプロセスは、まさにリアルタイムで動く「ライブ感のある対策」となっています。

©copyright 身乃豆, 2025

こうした活動を組合と一体となって進められるのは、甲斐けもの社中にとっても大きな力となっています。専門的な技術や知見を現場に持ち込みながら、それを地域の方々が自分事として共有し、次の一手をともに考えていく。このプロセスこそが実効性ある獣害対策につながります。そして何より、西嶋地区電柵組合の意欲や主体性の高さには毎回強く感銘を受けています。今後も連携を重ね、地域とともに新しい獣害対策を実践していきます。