GIS研修会を開催しました

以前から話があった鳥獣関係の有志少人数でGIS研修会を行いました。

 

実践的な方法を学べるようにするため、基盤の作り方、そして結合するデータの作り方をレクチャーしました。

もちろん、プラットフォームはQGISです。

QGIS https://qgis.org/ja/site/

まず、測地系・座標系に関する簡単な知識をお伝えし、外部から入手できるオンラインタイル地図について説明、設定しました。

国土地理院タイル一覧 https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html

一般的に自然地域の数の集約にはメッシュ地図が使われています。今回の素材では山梨県の狩猟者マップ(5kmメッシュ)を作ることを実践でできるようにしました。

ベースとして用いた5kmメッシュはこちらのものを使いました。

G空間情報センター https://www.geospatial.jp/ckan/dataset/biodic-mesh/resource/d9e78516-6ba5-4863-bfcd-31326f8984db?inner_span=True

入手した狩猟者マップをジオリファレンスをして重ねます。重ね方は先程のオンラインのタイル地図をベースに行います。すると、大体400mほどずれた状態になっています。位置は合っていても、メッシュの線が重ならない、ここが重要なポイントです。

測地系によるズレ

行政で使われている印刷ベースの地図では、時折、日本測地系のものがあります。そこでメッシュの方の測地系を変換します。するとピッタリ重なります。一旦ここで保存します。(状態としては、世界測地系に合わせてあるプロジェクト内でメッシュだけを日本測地系の状態で表し、その状態を世界測地系で保存する、という方法です。次回から使いやすくなります。)

赤いグリッドが修正後

今回は山梨県の狩猟者マップに合わせて、県独自の番号を振る必要があります。保存したメッシュの属性データから列フィールドを作り、integer で3桁の列を作ります。ここに県独自の番号を収めます。

そうやってできたメッシュレイヤーを一旦保存し、ここでちょっと寄り道をします。Google Earthはスマホやタブレットに入れていますでしょうか。この作ったレイヤーをkmlで出力し、スマホに送ってGoogle Earth で見ると、例えばスマホの位置情報と合わせて、今のメッシュ番号が分かります。捕獲地点のメッシュを確認する際はとても便利です。

iPadのGoogleEarthで表示 青丸が現在位置

さて、本題に戻ります。最後にメッシュごとの捕獲記録などのデータを用意します。それをCSVで保存したものをQGISにロードし、メッシュレイヤーから結合で連携させます。そうやって、塗り分けて表示したもので傾向を見やすくします。

次回の研修会では、これをもとに主題図や分析方法をレクチャーします。集計のみならず、植生などの相関、水域からの距離など組み合わせていきます。

甲斐けもの社中ではこのように現場で即戦力として使えるGISのレクチャーを行なっています。例えば、地域おこし協力隊のスキルのレベルアップ、被害対策従事者の分析能力向上など、ご要望にお応えする形で重点的にレクチャーします。