「いない」を確定させる
野生動物の市街地出没が全国的に増加しているようです。
見つけると「捕獲したい」気持ちが昂るのはやむをえませんが、まずは一呼吸おいて「興奮させず」「安全に」対応する術を検討することが最優先となります。
山梨でもイノシシの出没事例があり、その際に用いている一例をご紹介します。
まず、通報があった場合は、その個体の場所を把握できているか否かをお聞きしています。
場所がわかれば、地図でその場所を確認し、わからない場合はどちらの方向に向かったかを確認します。
過日の事例は、広域柵の中にいるとのことできたので、捕獲作戦の前にその場所を確認することを最優先にします。
それをしなければ、突発的に遭遇したり、その際に逃走やケガを負うことがあります。
手段としては熱赤外線カメラ搭載ドローンです。
その空間の中をくまなく探し、在・不在を確認します。人間が入ることなく、安全に確認できる有用な手法です。
存在が確認できれば、刺激を与えない高度でその場所にホバリングして状況の確認を続けつつ、捕獲作戦に転じれます。
今回は、その場所の管理者が敷地内にいると思っていても、空間内には熱源もなく、周辺の可視光確認においてけものみちや柵の強度が弱っていたところから逃走をした痕跡が確認できたので、捕獲はなしということ、また柵の補強指導で終わりました。
もし最初の段階で、在・不在がわからなければ・・・おそらく恐る恐るずっと探し回って、最後に柵の隙間から逃げていた痕跡を確認して、とても徒労に終わっていると思います。(仮にいたとしても、調査をしないまま接近していれば、予想外の方向に逃げてしまっていたでしょう。)
目に見えない個体を対応することは、不確実なことに加えて危険も増長します。
まずは現認、それができなければ推定と捜索、それが市街地出没の安全確保のための最初の手順です。

