山梨県身延町との連携協定締結:スマート農業の実証実験「DXP」事業に参画しています

身延町ウェブサイトより引用
身延町ウェブサイトより引用

身延町西嶋地区では、地域農業の新たな可能性を探るために「DXP(デジタルトランスフォーメーションプラットフォーム)事業」が進められています。この取り組みでは、ドローンによる空撮やマルチスペクトルカメラを使った植生の解析、各地に設置したセンサーによる土壌水分や気温・湿度のデータ取得など、多様な技術を組み合わせて農地の状態を可視化しています。さらに、取得したデータをGISで統合し、地域全体の農業や環境の状況を俯瞰的に把握できる仕組みを整えています。これらの技術は、従来の経験や勘に頼る部分の多かった農作業や鳥獣害対策を、客観的なデータに基づいて検討できるようにするものであり、地域農業の持続性を高める大きな一歩といえます。

甲斐けもの社中は、このDXP事業の一環として、現場と技術をつなぐ役割を担っています。例えば、ドローン調査では単に撮影を行うだけでなく、対象となる作物の生育段階や獣害リスクの高い地点を踏まえた飛行計画を立て、地域の実態に即したデータ収集を実施しています。センサーの設置についても、機器をただ置くのではなく、農作業の導線や電源環境を考慮した上で持続的に運用できる設計を行います。また、得られたデータを地域の方々が理解しやすい形に整理し、会議や説明会で提示するなど、技術を導入する過程全体を通じて、住民や関係者と行政との橋渡しを行っています。こうした取り組みは、技術が単なる実験で終わることなく、地域で実際に活用される基盤づくりにつながっています。

私たちの強みは、ICTやIoT、GISの専門知識を持ちながら、長年にわたり現場で農業や鳥獣被害対策に関わってきた実績を併せ持つことです。土壌水分や日照などの環境データの解析から、シカやイノシシの行動圏を踏まえた被害予測まで、多角的な知見を実際のプロジェクトに反映することができます。これにより、データ解析の結果を単なる数値として示すのではなく、「実際の農作業にどのように役立つか」「地域の被害軽減につながるか」といった実効性のある形で提示することが可能です。さらに、地域の方々との関わりを大切にしながら、現場で得られる細やかな気づきや経験を蓄積していくことで、技術と地域社会の両面に精通した支援を提供できる体制を築いています。

今回の西嶋地区での実証は、単に新しい機械や仕組みを導入するだけではなく、地域農業が直面している課題を整理し、その解決方法を探るための試みでもあります。鳥獣害や気候変動による不安定な収量、労働力不足といった複合的な問題に対して、データに基づいた対策を導き出すことが大きな狙いです。甲斐けもの社中は、こうした取り組みを通じて、農業の持続性を高めるだけでなく、地域住民や自治体、研究機関とともに知見を積み重ね、将来に向けた農業モデルを構築することを目指しています。プロジェクトの成果は今後の広がりを見据えたものとなり、身延町をはじめとする地域全体の農業や環境の未来に寄与していくと考えています。

参考リンク

身延町DXP事業紹介ページ:https://www.town.minobu.lg.jp/chosei/nogyo/2025-0605_dxp-project_nishijima-minobu_smart-agriculture-dx.html