「市街地出没」の状況把握

市街地出没の主な動線の一つに河川があります。

甲斐けもの社中でも、定点ポイントを設けて河川内の状況調査を5年ほど継続しています。

その中でも、特徴的なのは河川区域内の植物繁茂や踏圧によるけもの道です。

けもの道が増加している様子がおわかりでしょうか。(Web用に解像度落としていますが・・・)

定着に伴う往来頻度が増え、個体数も増え、そしてこのような網の目状のけもの道が形成されてきます。

山梨県にはどれほどの河川があり、どれほどの市街地出没リスクがあるでしょうか。

山梨県内には網の目状にこのように河川が網羅しています。人口が多い中心(甲府盆地)をかすめたり、通るように、北、東、西から流れ込んで南へ流れています。

山間地ならまだしも、市街地への動線としては、このような河川配置は中心部にアクセスしやすい形状です。

それでは、試しに中心部の甲府あたりを見てみましょう。(※細かい植生は抜きにして「森林」として緑で彩色しています。黄緑は「草地」です)

甲府駅周辺の河川は護岸工事もされていますが、そこから上流部は森林に隣接しています。また、土手のようなものの場合、河川区域内への侵入が容易なため、入り込んでしまい、下流方向(市街地方向)へのアクセスがしやすくなります。

次に、甲斐市の北側については、河川区域内の植物繁茂もあり、上流部から入り込んだ野生動物が姿を隠しながら移動できます。

また、河川付近から市街地に出てきた場合、人に見つかってもすぐ河川区域内の藪に隠れて、人が過ぎるのを待ち、また現れるということを繰り返すケースもあります。(例えば、河川沿いのあちこちで数日内に目撃情報が相次ぐ場合等)

研修会でも申し上げていますが、まずは、野生動物の出没の記録では「〇〇町〇〇付近」ではなく、地図を用意して直接書き込むようにすると有効です。「時間」「獣種」「移動方向」など、関連する情報を1枚の大きな地図に書き込むことで、状況の可視化が一気に進みます。

上に示した地図はすべてオープンデータから作成しています。作成時間は5分にも満たないものです。

野生動物が、生息するにはリスクが高い市街地に出るには理由があります。特に、動線となるところは情報を集約することでその理由が「見え」てきます。鳥獣害に関わる場合は、まず、第一に全体を見通せ、記録を蓄積できる地図の作成が必要不可欠となります。

(余談ですが、オープンデータ+ドローン撮影画像を用いた、地域を見直す地図づくりの研修も承っています。オープンソースのGISソフトを用いてPC(Windows, Mac, Linux)があれば誰でも作成できます。ご興味ある方はご連絡ください)