けものの侵入経路を調べよう

やまもと

これです。

センサーカメラ!

うめ

おお、4次元ポケット風に出したぞ!?

(かれこれ30分以上話してるけど、これをやりたいがために最初からポケットに仕込んでいたのか・・)

なにやら軍事用機械っぽい。

やまもと

防犯カメラみたいなものです。

これで撮影すれば犯人がどんな動物か一目瞭然ですし、動画も撮れますから侵入経路の特定にも役立ちます。

人間によるぶどうの盗難現場をとらえたこともあるぐらいですよ。

うめ

たしかに被害場所にこっそり設置しておけば、また次に現れた時に姿をとらえられそう。

でも動物が現れるまで、ずっと録画しとくのは、後で見返すのが大変になりますけど?

やまもと

センサーカメラはセンサーで動物の動きを感知した時だけシャッターを切ってくれる優れものだから安心してください。

ほらこの通り。

うめ

おお!めっちゃ横切ってる。

やまもと

ただし、設置場所を間違えると、動物の姿が撮れないばかりか、何百枚も無駄に録画するはめになってしまうことがあるので注意しましょう。

通称「草しか生えねぇw」画像と呼んでいます。

うめ

どうしてこうなってしまうんですか?

やまもと

カメラの画角に草が映り込んでいますよね?

基本的にこのようなカメラは常に撮っているのではなく、焦電センサーと呼ばれる熱赤外線の動きを感知して電気の流れを制御しています。

風で草が揺らぐたびにセンサーが反応してシャッターを切ってしまったんでしょう。

うめ

ちゃんと考えて設置場所を選ばないとダメなわけだ。

やまもと

そう。

だから犯人の特定だけじゃなくて、どこから侵入してきたかも突き止めようと思ったら、なおさら設置場所が変わってきますよね。

うめ

便利な道具であっても使いこなすのは人次第と。

それに、仕組みもちゃんと理解しているといいですよね。

やまもと

例えばこれをみてください。

うめ

柵の隙間からシカが入ってきている!

やまもと

そうです、集落で管理している柵の弱点部分からシカが入っています。

集落では夜にシカが入ってくるということで、一緒に調査をして、怪しい場所にこうやってかけると、ご覧のように、センサーカメラで突き止めることができます。

うめ

まさに侵入する瞬間をカメラが捉えたわけだ。

やまもと

被害対策で大事なのは、まずは「今ある被害をなくすこと」です。

火事でいう、延焼をなくすことですね。

この場合、まず侵入原因を特定して塞ぐことが重要です。

うめ

つい被害に遭うと、「とっ捕まえてやる!」って気持ちになりますよね。

待ってても警戒してこないですし、いつ来るかわかりませんしね。

やまもと

そうです。わなをかけてもその日の晩にかかることはとても稀です。

あと、こうやって動物の経路をたどると、道ができてますよね?

うめ

いわゆる「けもの道」というやつですかね?

やまもと

そうです。

だから、侵入経路はそれぞれつながっているんですよ。

あと、余談ですがこれを見て何か気づきますか?

うめ

これはっ・・・さっきの「草しか生えないw」画像にイノシシが歩いてるっ・・・

え、イノシシが歩いているだけじゃないんですか?

やまもと

よーく見て

うめ

(え・・・試されてる・・・?)

イ、イノシシが右向いている?

やまもと

( ‘ ^’c彡☆))Д´) パーン

よーく見て

うめ

(え・・・なんで・・・平手打ち・・・この人怖い・・・)

くくく草が・・・なんか違う・・・かなぁ?

やまもと

ふふっ

うめ

あ、スイマセンスイマセンスイマセン・・・

もう少しじかんを・・・

やまもと

大正解ー!

そうなんです、草がちょっと違うでしょ?

うめ

あえ!?

(合ってたんだ・・・)

やまもと

人の目ではほぼ見えないので、画像処理したものがこちらになります

うめ

すごい!イノシシの後ろに道ができてる!?

センサーカメラでけもの道見えるんですね!

やまもと

センサーカメラはただそのタイミングでの現象を撮るだけでなく、変化を捉えることも重要なのですよ。

いわゆるタイムラプスカメラで植物がにょきにょき生長したり、建物が建ったりするでしょ。

こうやって現象と変化を押さえることでより対策に活きてくるんですよ。

さて、話を戻しましょうか。

センサーカメラで状況を把握し、まずはその対処をすることが明日の被害を減らす最短経路です。

うめ

ですね。

捕まえることしか頭になかったけど、まずは、どこから登ってきているか把握して、妨害工作でぶどう棚に入らせないようにしてみよう。

やまもと

いいですね。

それと並行して生息場所と思われる場所と、被害があった場所をつなぐけもの道を割り出して、生息場所寄りにわなを設置しましょう。

わなは動物にとって不自然に見えるものです。動物に警戒心を抱かせないように設置するのは簡単なことではありません。捕獲の可能性を少しでも高めるためにも、動物の移動経路の把握がとても重要なんですよ。

うめ

なるほどなるほど。

エサ場まで行く途中にいいものがあったらそっちに行きますもんね。

いやー、よくわかりましたが、1つだけわからないことが。

ささっ、ちょっとこっちきてもらっていいです?

やまもと

ん?なんです?

うめ

( ‘ ^’c彡☆))Д´) パーン

なんで画像処理でしか見えないものを、答えさせようとしたのかなーって(笑)

やまもと

えっと、まずはここから逃げるための移動経路を検討しましょうか

つづく